来館の際には、必ず総領事館ホームページ等で必要書類など最新の情報をご確認ください。
www.sf.us.emb-japan.go.jp/top.htm
Facebook : www.facebook.com/cgjsf1
275 Battery Street, Suite 2100(21階)
San Francisco, CA 94111
代表電話番号 (415)780-6000
代表FAX番号 (415)767-4200
車でお越しの場合には、お近くの有料駐車場をご利用下さい。
総領事館が入居するビルにも有料駐車場がありますが、台数が限られています。
(料金例:Embarcadero Center Parking:$6.00/30min、$33.00/day)
■ 領事窓口
○ パスポート(旅券)、戸籍・国籍、各種証明書に関する問い合わせと発行
○ 在外選挙人登録、在留届
○ ビザ(査証)に関する問い合わせと発行
○ 緊急時対応
○ 窓口時間(月ー金※休館日を除く)午前9時30分〜正午、午後1時〜午後4時30分
■ 広報文化センター
○ 日本に関する一般問い合わせ
○ 文化交流事業 図書、各種文化グッズ、貸出しサービスなど
○ 教育交流事業 JET プログラム、国費留学生など
○ 窓口時間(月ー金※休館日を除く) 午前9時〜正午、午後1時〜午後4時30分
■ 休館日 週休日(土曜日、日曜日)
4月10日(金) Good Friday
5月25日(月) Memorial Day
7月3日(金) Independence Day(振替休日)
9月7日(月) Labor Day
10月12日(月) Indigenous People's Day/Columbus Day
11月3日(火) 文化の日
11月11日(月) Veterans Day
11月26日(木) Thanksgiving Day
11月27日(金) Day After Thanksgiving
12月25日(金) Christmas Day
12月29日(火) 年末休暇
12月30日(水) 年末休暇
12月31日(木) 年末休暇
※上記は2020年の休館日。変更になる場合もあり。
旅券(パスポート)
新規発給
本人が領事窓口で申請し交付を受ける(申請のみ代理も可)。
① 一般旅券申請書:1通(20歳以上の方には10年有効用と5年有効用から選択可能。20歳未満の方は5年有効用のみ)
② 写真1枚:縦4.5cm×横3.5cm(2インチ角でも可)、無背景、正面、6カ月以内に撮影したもの。
■ 写真についての留意点
● 正面からの撮影で無帽、サングラスをかけていない
こと
● 背景の色は白またはごく薄い色のものであること
● 目がはっきり確認できること
● 影がなく明るさが適切であること
● 画質の良い鮮明な写真であること
③ 現在所持しているパスポート
④ 日本国籍者はグリーンカードまたは米国滞在査証の
原本及びその写し
⑤ 二重国籍者は外国旅券(又は出生証明書の原本)及び
その写し
⑥ 外国籍者との婚姻後初めて旅券に配偶者の姓を表記
する場合は英文の婚姻証明書の写し(配偶者の姓が
記載されているグリーンカードでも可)
⑦ 二重国籍者又は両親のいずれかが外国籍で、旅券
に外国語名を表記する場合は、英文の出生証明書の
写し (外国旅券でも可)1通
⑧ 6カ月以内に発行された戸籍謄(抄)本1通。
切替発給(残存有効期間が1年未満の方)
一般旅券(パスポート)の切替発給は、現在所有しているパスポートの有効期間が満了する1年前から申請が可能。本人が領事窓口で申請し交付を受ける(申請のみ代理も可)。
① 一般旅券申請書:1通(20才以上の方には10年用と
5年用から選択できる。20才未満の方は5年用のみ)
② 現在所有している有効なパスポート
③ 写真1枚: サイズ 縦4.5㎝x横3.5㎝(2インチ角でも可)、
無背景、正面、6カ月以内に撮影したもの。
④ 日本国籍者はグリーンカードまたは米国滞在査証の
原本及びその写し
⑤ 二重国籍者は外国旅券または出生証明書の原本及び
その写し
⑥ パスポートに外国語名等の表記を希望される場合は、
綴りの確認ができる書類(英文の婚姻証明書や出生
証明書の写し、グリーンカード等いずれか一点)
⑦ 6カ月以内に発行された戸籍謄(抄)本1通。
(前回のパスポート作成時から、戸籍上の変更(氏名、
本籍地)が無い方は不要)
帰国のための渡航書(旅券紛失)
旅券を紛失された方又は旅券を所有していない方で、緊急に日本に帰国する必要がある場合には、「帰国のための渡航書」を申請し、交付を受ける。本人が領事窓口で申請。
① 帰国のための渡航書発給申請書
② 紛失一般旅券等届出書(旅券を紛失した場合)
③ 警察発行のポリス・レポート1通(盗難による紛失の場合)
④ 日本国籍を確認できる書類(戸籍謄(抄)本、本籍地が記載されている住民票など)
⑤ アメリカでの滞在資格を確認できるもの(グリーンカード、ビザの原本とコピー)
⑥ 写真2枚:縦4.5cm×横3.5cm(2インチ角でも可)。無背景、正面、6カ月以内に撮影したもの。
⑦ 帰国日及び経由地確認のための文書(航空券か航空会社等が発行する日程表)
※帰国のための渡航書は、当地から日本まで直行するという制約があり、日本に到着した時点で無効となる。
在留届
外国に3カ月以上滞在する場合は居住地を管轄する在外公館に届出。届出方法は以下のとおり。
① インターネット(在留届電子届出システム
www.ezairyu.mofa.go.jp) による届出
② 総領事館窓口での届出
③ 郵便又はFAXでの届出
※住所変更や在留地を去るときなど、変更が生じた場合その旨の届出が必要。
在外選挙人名簿登録申請
海外で国政選挙に投票するために必要で、以下の全ての条件を満たしている方が申請可能。本人が窓口へ。
(1) 申請条件
① 日本国民で18歳以上の方
② サンフランシスコ総領事館の管轄内(カリフォルニア州中北部及びネバダ州)に居住している方
③ 日本で住民票の転出届を提出された方
(2) 提出書類
① 在外選挙人名簿登録申請書1通
② 本人を確認できる書類(パスポート、運転免許証等のいずれか1点)
③ 現住所を証明できる文書(運転免許証、納税証明書、家屋の賃貸契約書、電気・水道等公共料金請求書等のいずれか1点)の原本
※すでに在留届を提出している場合③は不要。
主な届出
※全ての届け出には、本人確認のため、日本人の方は日本のパスポートと在留資格を証明するものが必要。
出生届
出生した日を含めて3カ月以内に、父または母が届け出る。
① 届書2通
② 出生証明書2通(原本1通、写し1通)
③ 同和訳文1通
※出生時に外国の国籍を取得した日本人(例えばアメリカで出生した場合など)は、出生後3カ月以内に日本国籍を留保する旨の意思を表示しないと出生時にさかのぼって日本国籍を失うので注意が必要。
婚姻届
挙行地の方式または外国人配偶者の本国法により婚姻した場合、婚姻成立後3カ月以内に当事者が届け出る。
(1) 日本人同士の場合
① 届書3通
② カウンティ発行の婚姻証明書3通(原本1通、写し2通)
③ 同和訳文2通
④ 夫と妻の戸籍謄(抄)本各3通(6カ月以内に発行されたもの)
(原本1通、写し2通)
※ 日本式の婚姻届も可能。婚姻届書それぞれの証人欄に証人2人の署名捺印の上、当事者双方の戸籍謄(抄)本3通(原本1通、写し2通)を提出。
(2) 当事者の一方が外国人の場合
① 届書2通
② カウンティ発行の婚姻証明書2通(原本1通、写し1通)
③ 同和訳文1通
④ 配偶者の国籍を証明する書類2通(出生証明書、または有効な旅券など)、原本提示、写し2通
⑤ 上記和訳文1通
⑥ 戸籍謄(抄)本2通 (6カ月以内に発行されたもの)
(原本1通、写し1通)
離婚届
裁判による離婚の場合、離婚判決確定後3カ月以内に当事者が届け出る。
(1) 日本人同士の場合
① 届書3通
② 裁判所の離婚確定判決書3通(2通は写し可)
※ 日本式の離婚届でも可能。離婚届書の証人欄に証人2人の署名捺印の上、当事者の戸籍謄本2通(原本1通、写し1通)を提出。
③ 同和訳文3通
④ 戸籍謄本2通(原本1通、写し1通)
(2) 当事者の一方が外国人の場合
上記の各書類2通ずつ提出。
外国人との結婚・離婚による「氏」の変更届
婚姻成立後6カ月以内。離婚、婚姻の取り消し、または外国人配偶者の死亡の日から3カ月以内。
① 届書2通(注1*)
② 戸籍謄(抄)本2通 (原本1通、写し1通)(注2*)
※ 注1 法定の届出期間を過ぎた場合は
家庭裁判所の許可が必要。
※ 注2 戸籍謄(抄)本は、3カ月以内に作成されたものが必要。ただし婚姻届、離婚届と同時に提出する際には不要。
主な証明
在留証明
申請人が外国のどこに住所(生活の本拠)を有しているか証明するもの。本人が窓口へ。
① 申請書(在留証明願)
② 現在所有している有効な日本のパスポート
③ 在留資格を証明するもの
(永住権をお持ちの方はグリーンカード)
④ 現住所と居住期間(証明が必要な場合のみ)を証明できる以下の文書
・運転免許証
・家屋の賃貸契約書
・電気・ガス・水道等の公共料金の請求書等
(いずれも3カ月以内に発行されたものに限る)
※提出先の名称(○○法務局、○○銀行など)及び提出理由
(遺産相続など)を事前に確認しておく。
※公的年金受給手続の発給手数料は無料。ただし、日本年金 機構等から送付される現況届、年金証明、案内書等の指示
が必要。
※外国籍に帰化をした元日本人の方の場合は、米国公証人に
よる証明を受ける。総領事館でも「居住証明」の発給が可能。
署名(および拇印)証明
申請者の署名(及び拇印)に相違ないことを証明するもの(日本の印鑑証明と同様の意味を持つ)。本人が窓口へ。署名・拇印の押印は領事官の面前で行うため、事前の署名・押印は不可。
① 署名証明申請書
② 現在所有している有効な日本のパスポート
③ 在留資格を証明するもの(永住権をお持ちの方は
グリーンカード)
④ 署名すべき関係書類がある場合はその書類
出生証明
申請者がいつどこで出生したかを証明するもの。本人が窓口へ。
① 出生証明申請書
② 現在所有している有効な日本のパスポート
③ 出生事実を立証する日本の公文書(例:戸籍謄(抄)本)
※日本人に限らず、元日本人及び日本で生まれた外国人も
申請が可能。
婚姻証明
申請者がいつ、誰と婚姻したかを証明するもの。本人が窓口へ。
① 婚姻証明申請書
② 現在所有している有効な日本のパスポート
③ 発行日より3カ月以内の戸籍謄本
(婚姻の事実が記載されたもの)
④ 配偶者が外国籍の場合は、英語表記の氏名を確認できる書類
※外国籍に帰化をした元日本人の方の場合は、戸籍の除籍謄本に基づき、戸籍記載事項証明を発給することが可能。
※日本で婚姻した外国人は婚姻証明書を発行できないが、婚姻届受理証明書の翻訳証明書を発行することが可能。
離婚証明
申請者がいつ、誰と離婚したかを証明するもの。
本人が窓口へ。
① 離婚証明申請書
② 現在所有している有効な日本のパスポート
③ 発行日より6カ月以内の戸籍謄本(婚姻・離婚の事実が
記載されたもの)
※外国籍に帰化をした元日本人の方の場合は、戸籍の除籍謄本に基づき、戸籍記載事項証明を発給することが可能。
※日本で離婚した外国人は離婚証明書を発行できないが、離婚届受理証明書の翻訳証明書を発行することが可能。
警察証明
申請者の日本における犯罪の有無を証明するもの。
申請から約2カ月を要する。
① 申請書
② 現在所有している有効な日本のパスポート
③ 指紋カード(指紋カードを当館窓口にて受領し、警察当局等に指紋を採取してもらう)
旅券所持証明
申請者が現に有効なパスポートを所持していることを証明するもの。米国ではソーシャルセキュリティー番号に代わるIDとして、個人納税者番号(ITIN)取得のために使われる。本人が窓口へ。
① 現在所有している有効な日本のパスポート
② 有効な米国ビザ(ITINの申請に際して必要とする場合)
※戸籍および在留届に記載された同一世帯の方に限り、代理
申請が可能。代理申請には、戸籍謄本(又は全部事項証明。
当時者全員が記載されていれば発行日は問われない)の提
示及び申請者からの委任状(未成年の子の場合は委任状は
不要)が必要。なお、申請者の米国ビザに代理申請者の氏名
が記載されている場合は、戸籍謄本は必要ない。
証明申請時のワンポイントチェック
1)遺産相続手続等の場合は通常、署名・押印する書類があり、
その書類に署名・押印したことを証明する署名証明及び現地に住んでいることを証明する在留証明が求められることが多い。
2)永住権の申請では警察証明、出生証明、婚姻証明が求められる。離婚歴がある場合は離婚証明を求められる。
3)提出先によっては総領事館の証明書でなく、公証人役
場で公証した文書でも受け付ける場合があるため、提出
先に事前に十分確認する。
4)各種申請についての必要書類はまず総領事館のホームページで確認することをお薦めする。総領事館は午前中は非常に混むが、午後の時間帯は比較的空いているようだ。
手数料に関する注意
旅券(パスポート)や各種証明の受領時には手数料が必要となる(具体的な手数料の金額は、領事館ホームページで確認)。手数料は、総領事館窓口で支払う場合は、現金またはマネーオーダーで支払う。パーソナルチェック及びクレジットカードは受け付けていないので注意しよう。また、出張サービス会場で支払う場合は、マネーオーダーのみ取り扱っており、現金やパーソナルチェック及びクレジットカードで支払うことはできない。なお、マネーオーダーは有効期限のないもので支払う必要がある。
アメリカでの葬儀
いつか訪れる人生の終焉。アメリカで親族が亡くなったら、どうすればよいのだろうか。いざという時のために、葬儀に関する手順や習慣などは、こちらで生活していく上でも知っておくべき。
亡くなった場所により手続きの方法が異なってくる。病院の場合、医師や看護師から死亡が告げられたら、すぐに葬儀社に連絡する。もしものケースを考えて、葬儀社への相談は早めにしておいた方が良い。葬儀社が遺体を引き取りに行く際は、遺族からのサインが必要。葬儀社の書類にサインできる人は、故人に法律的に一番近い近親者でなければならない。例えば、夫婦の場合は、夫もしくは妻、未婚の子供は、親になる。法的にサインができる遺族がはっきりしないと、遺体は警察が引き取り、葬儀社はそこから手続きを始める。よくあるケースは、アメリカに遺族がいない場合、日本に連絡をして遺族にこちらに来てもらうようになる場合があるが葬儀社がすべての手続きを代行することもできる。また、自宅で亡くなった時は、警察がすぐに葬儀社に遺体引き取りを許可する場合と、警察が一旦引き取り、それから葬儀社が引き取る場合がある。警察から遺体を引き取る際には料金がかかり、サンフランシスコカウンティでは2020年1月現在、611ドル〜(各カウンティ、状況によって料金が異なるため要問い合わせ)。
死亡証明書、埋葬・火葬許可書
葬儀社は、書類に遺族からのサインをもらった後、医師または警察の検死官による診断書の作成、保健所から死亡証明書、埋葬・火葬許可書を発行してもらう一切の手続きを代行する。なお、日本国籍を持っていれば、死亡から3カ月以内に総領事館へ死亡届を出す。
葬儀の種類
葬儀には仏式、神式、キリスト教式、無宗教式等がある。メモリアルサービスも同様。メモリアルサービスでは、遺骨に写真、花等を飾り、葬儀社や教会、寺で行う。葬儀やメモリアルサービスの告知を新聞に載せることも多い。「週刊ベイスポ」には、告知スペースがある。また最近は、火葬のみであったり、日本でサービスを行う人や、一切行わない人もいる。家族だけで行う場合は、その旨を葬儀社に申し出るとプライバシーを守ってくれる。
日本の葬儀との違い
日本の葬儀と大きく異なることは、遺体にエンボーム(Embalm)の処置をすること。エンボームとは、遺体を綺麗にし、防腐剤等を用いて保存すること。アメリカでは、火葬よりも土葬のほうが依然多く、火葬をする場合でも、葬儀の際はお棺を購入し、エンボームの処置をし、最後のお別れをするようになっている(故人の写真を持っていくと、髪型を整えたり、化粧をする時の参考になる)。エンボームの技術が発達しているため、遺体を日本や他の州に送ることもしばしばある。
お棺にはさまざまな種類があり、値段も1000ドル以下から1万ドル以上と幅広いが、後で火葬する場合は木のお棺を選んだほうが賢明(メタルの場合、火葬の時に燃えやすい棺に変える必要があるため)。日本の物と違い、体が半分は見えるので、きちんとした衣服を用意すること。葬儀社によっては、賃貸用のお棺も用意してあるので尋ねてみるとよい。なお、遺骨を埋葬する場所は、墓地や納骨堂が一般的だが、すぐに決まらない場合は届出に自宅の住所を記入してもよい。後から変更することもできる(水葬などの場合)。分骨する人は、死亡証明書を作成する時に書き込まなければならないので、早めに葬儀社に申し出ること。遺骨は、家族が日本などに持ち帰ってもよいし、葬儀社が送る場合もある。
葬儀保険
故人のことを思い、一番よい葬儀やメモリアルサービスを行うことが多い。残された人は、悲しみの中でいろいろな事を決めなくてはいけないが、経済的負担を少しでも減らすための葬儀保険というものもある。これは、元気なうちから自分や家族などの葬儀を前もって準備しておけるという利点があり、契約した保険金で葬儀が行われる。通常、日本で亡くなった場合でも保険金は支払われる。葬儀保険は、保険会社が葬儀社と契約しており、葬儀社が取り扱っている場合が多い。保険に入っていない場合でも死亡証明書にインフォメーションを書き込んだり、必要な書類にサインをして、予め葬儀社にファイルしておくこともできる。
日本での相続法改正について
現在、日本の民法(民間個人の間を規律する基本法)は改正作業が進んでいる。その中の第5編(相続)についても大きく改正され、その大半が昨年(2019年)7月1日から施行されており(配偶者居住権の新設等は2020年4月1日から施行。法務省における自筆証書遺言の保管制度は2020年7月10日から施行)、同日以後に発生した相続には改正された新法が適用される。
対抗(主張)要件主義の徹底
今回は、相続させる遺言における対抗要件主義の影響について考察してみる。改正後の新法は、法定相続分を超えた相続による権利の承継について、常に登記、登録その他の対抗要件を備えなければ第三者に対抗できないとした。例えば、相続人が子Aと子Bの2人で(=法定相続分:AとBが1/2づつ)、唯一の相続財産である自宅をAに相続させるとの遺言があった場合を考えてみる。
遺言執行者がいない場合
Bが相続登記を済ませ(登記実務上、相続を登記原因とする法定相続分での所有権移転登記が可能)、法定相続分(1/2)が売却されその移転登記を済ませた場合、受益相続人Aと買主とは対抗関係になり、移転登記を備えた買主が1/2の取得をAに対抗できる。
遺言執行者がある場合
改正前であれば、法定相続分(1/2)の売却は絶対的に無効であり、受益相続人Aは自宅全体の取得を買主に対抗できた。新法では、買主が善意であるか否かによる。遺言執行者がある場合には相続人Bは遺言に反する処分行為ができず、遺産の処分権限を欠く。したがって、買主が悪意(遺言執行者があることを知っていた)の場合、買主も無権利者であることから、受益相続人Aは、対抗要件を備えなくても、買主に対して自宅全体の取得を対抗できる。
これに対し、買主が善意(遺言執行者があることを知らなかった)の場合、相続人Bに処分権限がなかったことが治癒されるので、結果的に法律上処分権限があったのと同様に扱われる。その結果、法定相続分を超える部分につき受益相続人Aと買主とは対抗関係に立つ。よって、買主が善意(遺言執行者があることを知らなかった)の場合、買主はBの法定相続分(1/2)を取得することができ、かつ、登記を具備しているから受益相続人Aに対してその取得を対抗できる。
相続人の債権者による差押え
さらに、相続人Bの債権者は、遺言執行者がある場合であっても、相続財産に対する権利行使を妨げられず、相続人Bの法定相続分を差し押さえることができる。したがって、新法の下では、強制執行認諾文言付公正証書を有する債権者が、相続発生後直ちに執行文の付与を受け、相続登記の代位登記手続きを経て差押えを行い、競売が実行されるかもしれない(改正前であれば、受益相続人Aが他の相続人Bに対し遺留分相当額を支払えば自宅全体を無事に取得できた)。仮に、受益相続人Aが落札に失敗すると、落札者と受益相続人Aとの共有となり、落札者の共有持分(1/2)を高価で売りつけられる可能性を否定できない。
遺言代用信託の有用性
このように、対抗要件主義が徹底された結果、相続させる遺言を作成しておけば安心という時代は過ぎ去り、登記を急がないと負けるおそれがあると言われている。しかしながら、遺言の代わりに遺言代用信託を利用して対抗要件主義のリスクを回避することもできる。例えば、自宅を信託財産とする自益信託(委託者=受益者の信託)を設定し、委託者の死亡により信託は終了、相続人Aを帰属権利者としておけば、信託終了後、自宅は信託財産の所有者である清算受託者からAに給付される。
事前準備の重要性
相続に対しては、遺言者、相続人、受遺者など様々な立場があるが、全ての立場において、相続法改正を機会に事前の準備を検討し、あるいは従前の準備を見直してみてはいかがだろうか。十分な実績があり、法務だけでなく税務・登記実務についても目を配ったトータルな対応をしてくれる専門家に相談しよう。
情報提供:岡田綜合法律事務所 山口正徳弁護士
japanese-law.com https://m-yamaguchi-law.com
アメリカの
エステート・プランニング
エステート・プランニングとは簡単に言うと、まず自分の健康状態が悪化した場合に自分の医療処置や財産管理について、どう対応するかを考え計画すること、また更に自分の死後の財産分与方法を予め決めて手配しておくことである。その過程において税金を最小限に抑えるように計らい、またプロベート(Probate)という裁判所監視下で執行される遺産相続検認手続きを回避できるようにすることは、エステート・プランニングの最たる利点だが、それ以外に強調されるべき利点は、大病時に備えて準備ができている安堵感や、遺産相続時に遺族間の調和維持に役立つなどの、無形の効果である。
リビング・トラスト(生前信託)を活用した遺産相続
米国ではリビング・トラストは相続において頻繁に使われ、中でも撤回可能生前信託(Revocable Living Trust)が最も典型的である。リビング・トラストを設立し自分の財産を信託財産とすると、一般的に次のような利点がある。(1)生前は財産を従来通り自分のものとして自由に所有・管理することができる。(2)自分が信頼する人を継承受託者(Successor Trustee)として予め指名しておけるので、病気、高齢などの理由で財産管理ができなくなった場合はその人に財産管理を託すことができる。(3)死後、信託財産はプロベートの対象とならず、継承受託者によって受益者(Beneficiary)に配分されるか、又は引き続き受益者のために管理されるように計らうことができる。リビング・トラストを用いた遺産相続計画は、様々な状況を想定して準備できるので、最も順応性に富んだプランと言えるだろう。
プロベート(遺産相続検認手続き)
エステート・プランニングの利点の一つとしてプロベートを回避できるようにすることを前述したが、ここでプロベートとは何か、そして遺産がプロベートを通して相続人に配分される手続きとはどの様なものであるかを簡単に説明する。
プロベートとは被相続人の死後、裁判所の監視下で執行される手続きで、その目的は(1)被相続人の財産を確認し負債と税金を支払う、(2)遺言書があれば、それが正規なものであることを確認する、並びに(3)正規の受益人を確認し財産を配分する、などがある。プロベートの情報は一般公開の対象となる。手続きに要する期間は9カ月から1年半だが、より長期になる場合もある。又プロベートの手続きには法令で定められた弁護士費用と執行者費用が伴う。
法令で定められた弁護士費用と執行者費用は、プロベート対象の遺産に対するパーセンテージで計算される。例えば、死亡時の価値が100万ドル($1million)の住宅がプロベートの対象となった場合、弁護士費用と執行者費用はそれぞれ2万3千ドル($23,000)となり、計4万6千ドル($46,000)が被相続人の遺産から支払われることとなる。住宅にローンが残っていたとしても、弁護士と執行者費用はローンの額に関係なく計算される。
自分の財産を生前中にプロベートの対象とならない財産とすることでプロベートは回避できる。プロベートの対象とならない財産の例をここに挙げる。
・Trust assets(信託財産)
・Joint tenancy(二人以上による共有財産権で、
一当事者の死後、生存者に権利が移る)
・Community property with right of survivorship
(既婚者の共有財産権で一配偶者の死後、生存配偶者に
権利が移る)
・Multiple party accounts(ジョイント口座)
・POD(payable on death:死亡時の受取人の指名がある
銀行口座など)
・TOD(transfer on death:死亡時の受取人の指名がある
投資口座など)
・Life insurance and retirement accounts with
designated beneficiaries(受取人(Beneficiary)が
指名された生命保険や退職金口座)
税金対策
リビング・トラストや遺言書の作成など遺産分与の準備・計画に際して考慮すべき重要点の一つに税金対策がある。贈与税・遺産税に限らず、キャピタルゲインに課される税、更に固定資産税も含めて、生前に十分な準備・計画をしておくことで後々の税金を大幅に減額できる場合がある。
●贈与税・遺産税(Gift Tax/Estate Tax)
日本の相続人に課される相続税と違い、米国贈与税・遺産税は、贈与した人・被相続人の遺産に課されるもので、2020年時点での控除額は米国市民と永住権保持者共に1158万ドル ($11.58million)。永住権保持者も米国市民と同様、遺産の価値が控除額以内であれば、遺産税は課されない。遺産価値がそれを上回る場合に米国市民と永住権保持者とでは違いがある。永住権保持者(即ち非米国市民)である生存配偶者が、配偶者から遺産を受け取った場合には、控除額の超過分に対して40%の遺産税が課されるかも知れない。
●所得税(Income Tax)
相続によって受け取った財産は所得税の対象外となり、相続人への課税はない。
●キャピタルゲイン税 (Capital Gain Tax)
キャピタルゲインは一般的に売却価格からベーシス (Basis)(当初取得価格)を差し引いた額で、非課税枠からの超過分が課税の対象となる。つまり売却時にベーシスが高ければ、キャピタルゲインは少なくなるわけなので、被相続人の財産のベーシスを死亡時の市場価値額に修正する「Basis Adjustment」または「Step-Up in Basis」という税法を理解し、フルに利用することが大切である。これに関連して、自宅が配偶者二人の共有財産(Community Property)である場合、その所有権は「Joint Tenancy」ではなく「Community Property with Right of Survivorship」とする方が一般的に有利である。また親が自分の所有不動産の名義に子供を加えてJoint Tenancyとする例も見受ける。これでプロベートは回避できるが、キャピタルゲインを最小に抑えるという意味では必ずしも得策とは言えない。
●カリフォルニア州固定資産税 (California Property Tax)
不動産を親から子供へ遺産として残す場合、親の代の査定額(Assessment)を子供が引き継げるようにし、固定資産税を最小限に抑えられるようにする計らいが必要。また、親の主たる財産が自宅で、それを複数の子供の一人が引き継いだとする。不動産の所有権がその子に移行した後で、その子が兄弟姉妹への現金配分等の目的で新たなローンを組むと、その分が改めて査定され増税される恐れがあるので注意が必要。
日本への帰国
もし将来日本へ帰国して暮らしたいと考えるなら、米国における財産をどうするかについてじっくり検討する必要がある。一番簡単なやり方は米国の財産を処分することだが、もし財産を残しておきたい場合、まず問題となるのは出国税(Exit Tax)の課税があるかどうか。次に、永住権失効後に亡くなると、米国財産の遺産には40%近くもの遺産税が課される可能性がある点も注意が必要。相続に関する日米条約の適用可否を含め、税理士に相談することを勧める。又前述したように一般的にプロベート対策としてリビング・トラストが必要となるが、その受託者(Trustee)には米国在住の個人又は銀行などを選ぶ必要がある。
この記事に記載される内容は一般的な情報であり、特定の状況に応用できる助言ではない。それぞれの相続や税金などに関してはここに記載された情報に頼らず、エステート・プランニングを専門とする弁護士に相談しよう。
情報提供:メリット法律事務所 メリット大橋ゆか弁護士
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